IBM Cognos ストーリー

 


ストーリー作成のステップ

今回は、ダッシュボードに続いて「ストーリー」を作成する方法について説明します。ストーリーはデータを使って、視覚的に意味のある物語を伝えるための手段です。

1. ストーリーとは?

ストーリーは、情報を順番に示しながら、データから得た洞察を伝えるものです。映画のように「問題」と「解決策」を順序立てて説明し、最後には改善提案や解決策を示すのがポイントです。

  • 問題の提起:何が問題なのかを明確に伝えます。

  • 解決策の提示:問題に対する解決策や提案を行います。

2. ストーリー作成の手順

  • 新規ストーリーの作成:メニューから「新規」→「ストーリー」を選んで作成を開始します。

  • ストーリータイプ:最初に「スライドショー」や「ガイド付きジャーニー」などのテンプレートを選びます。ここでは「スライドショー」を選んでいます。

3. ストーリー環境の使い方

ストーリーを作成する画面は、ダッシュボードや探索画面に似た環境で、よく使う機能やオブジェクトがピン留めされているので、すぐに使える状態です。

  • シーン(場面):ストーリーは複数のシーンから成り立っています。シーンごとに内容を伝えていきます。

  • タイムライン:各シーンの表示時間を調整することができます。

4. 最初のシーンの作成

  1. タイトルの設定:タイトルは視聴者の注意を引きつけるためにドラマティックにします。例:「なぜ売上が低迷しているのか?」

  2. フォーマットと色の変更:タイトルの色やフォントを変更して目立たせます。

  3. ウィジェットの追加:ストーリーをもっと魅力的にするために、顔文字や画像を追加して、感情を表現します(例:悲しい顔で問題を示す)。

5. タイムラインの設定

ストーリー内のオブジェクト(タイトルや顔文字)の表示時間を設定します。

  • 各オブジェクトの表示時間を「5秒」や「10秒」に設定し、次に進むタイミングを調整します。

6. 次のシーン:売上がどれくらい低迷しているか

  • KPIチャートの追加:売上の実績と目標を比較するためのKPIチャートを追加します。

  • データの更新:データがどのように更新されるかをストーリー内で示します。

  • 文字による補足:「売上は毎年5%低迷している」といった説明を追加。

7. 次のシーン:どの部門が低迷しているのか

  • クロスタブの作成:部門ごとの売上パフォーマンスを表示するクロスタブを追加します。

  • 条件付き書式の設定:売上が目標の95%未満の部門をオレンジ色で強調表示します。

  • 結果の分析:「キャンプ用品部門」や「ゴルフ用品部門」が低迷していることを示します。

8. 改善策の提案

最後に、ストーリーの結論として、以下のような提案を行います:

  • 目標設定の見直し:もっと現実的な目標を設定する。

  • 部門ごとの会議:特に低迷している部門(キャンプ用品、ゴルフ用品など)との会議を頻繁に行う。

  • 販売スタッフの増員:売上が低迷している部門に販売スタッフを増やす。

9. ストーリーのタイムライン設定

  • シーンのタイミング:それぞれのシーンやオブジェクトのタイミングを調整します。例えば、提案のシーンを3秒後に表示し、最後の顔文字やサムズアップを5秒後に表示します。

10. ストーリーのテストと確認

作成したストーリーをプレビューして、内容が順番通りに表示されるか、タイミングが適切かを確認します。

11. ストーリーの保存と共有

ストーリーが完成したら、「保存」をクリックして、適切な場所に保存します。その後、リンクを共有したり、PDFとしてエクスポートしたりして、チームや上司と共有することができます。


まとめ

このストーリー作成機能を使えば、データを単に表示するだけでなく、視覚的に意味のある物語として伝えることができます。データ分析結果をわかりやすく、魅力的な形でチームや上司に伝えるための強力なツールです。



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