◆レポート作成の流れ
レポートとは何か?なぜレポートを作るのか?
レポートは、主にデータを詳細に提示するための形式であり、ダッシュボードやストーリーとどのように異なるのかを理解することが重要です。
ダッシュボードやストーリーは視覚的にデータの概要を表示するためのものですが、レポートは通常、詳細なデータリストを求められた時に使用します。
例えば、上司が「各国の営業スタッフとその業績をすぐに見たい」と言ってきた場合、これはレポートとして作成するのが適切です。データをリスト形式で詳細に表示しなければならないからです。
1. レポートの作成を始める
レポート作成の流れは次のようになります。
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「レポート」作成を選ぶ
ホームページで「データの表示」→「レポート」を選択します。もしくは、「新規作成」→「レポート」を選びます。 -
レポートのレイアウトを選択
例えば、1カラムのレポートを選びます。これは「見出し」「本文」「フッター」が1列で並ぶレポートの形式です。 -
レポートのスタイル設定
「見出し」や「フォント」「色」などをカスタマイズして、上司にとって見やすく、印象的なものにします。
2. データの選択と表示
レポート作成時、まずは使用するデータソースを選びます。
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データモジュールを選ぶ必要があります。レポートはダッシュボードや探索環境からではなく、データモジュールから作成します。
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例えば、「Great Outdoors」というデータモジュールを開き、必要なデータ項目を選びます。
3. 見出しとリストの作成
見出しを設定
レポートの最初に「売上スタッフと国別の売上」をタイトルとして設定します。これがレポートの見出しです。
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見出しは、右側のプロパティパネルからフォントサイズや色、背景色を変更できます。
リストの作成
次に、レポートにリスト(スタッフ別、国別の売上)を追加します。
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スタッフの名前と国をリストに追加します。これで、国別に並んだスタッフのリストが表示されます。
並べ替え
スタッフの国別に並べ替えが可能です。例えば、国名を昇順に並べ替えることができます。
4. 数値や合計の追加
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各スタッフの売上をリストに追加します。
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売上合計も表示させ、国別の合計売上を表示します。
合計の計算
売上の合計を計算するには、各国のスタッフ売上を「集計(Summarize)」して合計を出します。
5. レポートのプレビューと生成
作成したレポートを実際にプレビューして、ページごとにスタッフの売上や合計がどう表示されるか確認します。
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ページプレビューを使用して、レポートがどう表示されるかを確認します。
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レポートを生成するには、PDFやExcel形式で出力できます。
6. レポートのエクスポートと共有
レポートが完成したら、PDF形式やExcel形式でエクスポートし、上司に送ることができます。
例えば、PDFでは8ページにわたって売上やスタッフの詳細が表示され、Excelではより詳細に分析できる形でデータが整形されます。
7. レポートの保存
作成したレポートは必ず保存します。例えば、「スタッフ売上レポート」として保存しておきます。
重要なポイント
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レポートの作成には時間がかかることもありますが、慣れると非常に簡単です。
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レポートは視覚的な分析ではなく、詳細なデータを提供するために使用します。
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レポートの作成後、PDFやExcelなど多様な形式で出力し、チームや上司と共有できます。
◆レポートの改善方法
前回のビデオでは、スタッフ、国別の売上、および国ごとの合計売上を表示するレポートを作成しました。このレポートは上司に満足してもらえる内容ですが、さらに改善して、より魅力的なものにすることができます。
今回は、レポートをさらに向上させる方法について説明します。特に、データの追加や条件付き書式を使ってレポートをもっと良くしていきます。
1. データの追加とツールボックス
まず、データ項目をクリックすると、レポートで使用しているデータのクエリが表示されます。例えば、Query 1にはスタッフと売上に関するデータが含まれていて、さらに複数のクエリを追加することも可能です。
次に、ツールボックスを使って、レポートに追加できる項目(テキスト、画像、テーブルなど)を選ぶことができますが、今回はシンプルに進めます。
2. 表の設定
レポートのデザインをカスタマイズする際、表の行数や表示の並び替えが重要です。
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行数を増やす:例えば、1ページあたり200行表示するように設定することができます。これにより、ページを複数回に分けてスクロールせずに全データを1ページに表示できます。
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並べ替え:売上の高い順に並べ替えて、どのスタッフが最も売上を上げているのかを確認できます。
3. 計算の追加
次に、上司が欲しがっていた「売上のパーセンテージ」や「国別売上の合計」などを計算に追加します。
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売上のパーセンテージ:各スタッフの売上が全体の売上に占める割合を表示できます。例えば、オーストラリアのトップセールスマンの売上が会社全体でどれくらいの割合を占めているかを計算できます。
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国別の合計売上:各国の売上合計を計算して、全体の売上に対する国ごとの貢献度を表示します。
4. 条件付き書式の追加
レポートをさらに魅力的にするために、条件付き書式を使います。
例えば、売上が10百万ドル以上の場合は「緑色」、10百万ドル〜20百万ドルの場合は「黄色」、20百万ドル以下の場合は「赤色」で表示することができます。
これにより、数字が視覚的に強調され、上司が一目で「優れた営業マン」や「改善が必要な営業マン」を識別できるようになります。
5. PDFやExcelでの出力
作成したレポートをPDFやExcel形式で出力し、上司にメールで送ることができます。
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PDF出力:綺麗にフォーマットされたレポートをすぐに送信でき、印刷して読むことも可能です。
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Excel出力:データをさらに分析したい場合には、Excel形式で出力して、詳細な分析を行うこともできます。
6. 高度なオプションと最終調整
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生成されたSQLコードの表示:レポートで行った操作の裏で使用されたSQLコードを表示することができます。これを他の環境で再利用することも可能です(ただし、これは上級者向けの内容です)。
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レポートの検証:レポートの一貫性をチェックする「レポート検証機能」もあります。
まとめ
最終的に、上司が喜ぶ美しくて使いやすいレポートが完成しました。このプロセスは非常に短時間で終わり、データ分析のスキルを発揮する良い機会です。
今後、さらに詳細なレポートや分析を行いたい場合には、上記の方法を応用することで、レポートを強化することができます。
重要なポイント
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レポートの改良:単純なリストから、計算や条件付き書式を使って、よりインパクトのあるレポートにできます。
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データ分析スキルを活かす:単なるデータの表示ではなく、計算や条件付き書式を使って視覚的に強調することが大切です。
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出力形式の選択肢:PDFやExcel形式など、目的に応じた出力形式を選べます。
◆レポート作成の最終ステップ
このビデオは、レポート作成の最後の部分です。私たちは素晴らしいレポートを作成しましたが、さらに少し改善する方法や、Cognosの環境についてもう少し紹介したいと思います。
1. オブジェクトのロックと解除
まず、レポートのテーブルを選択した場合に、「オブジェクトをロック」することができる点を紹介しました。オブジェクトをロックすると、そのテーブルに新しい項目や変数を追加できなくなります。
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ロック:テーブルに変更を加えたくない場合に使います。
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ロック解除:ロックを解除することで、新しい列や変数を追加することができます。
2. ページのデザインと構造
次に、ページのデザインについて説明しました。
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ヘッダー:レポートの上部に表示される内容(例:タイトル、会社名など)。
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フッター:ページ番号や生成日時が表示される部分。これらはすべて変更可能で、例えばロゴや背景を追加することもできます。
フッターには「レポートの生成日時」や「ページ番号」が含まれています。生成日時は、サーバーがどこにあるかに依存するので、例えばアメリカのサーバーを使用している場合、表示される時刻が自分のPCとは異なることに注意が必要です。
3. 新しいデータの追加
レポートの改善方法の一つとして、**「入社日」**を追加する方法を紹介しました。これにより、例えば新しく入社した営業担当者と、長く働いている営業担当者を比較し、パフォーマンスの差異が時間によるものかどうかを確認することができます。
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入社日をスタッフ名の後にドラッグ&ドロップして追加しました。
これで、営業担当者の入社日とパフォーマンスを同時に見ることができ、パフォーマンスの低さが新しいスタッフに起因する可能性があることを確認できます。例えば、長く働いている営業担当者が良い結果を出しているのに対し、最近入社した営業担当者は低いパフォーマンスを示している場合、その理由を分析できます。
4. レポートの形式と保存
レポートの作成が完了した後、さまざまなフォーマット(PDFやExcelなど)でレポートを出力する方法について説明しました。また、作成したレポートを保存することも忘れずに行います。
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新しいレポート作成:異なる視覚化(クロスタブやグラフなど)を使って、さらに新しいレポートを作成することもできます。
重要なポイント
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オブジェクトのロック機能:レポートの変更を防ぐためにオブジェクトをロックできます。
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ページデザイン:ヘッダーやフッターを使って、レポートの一貫性を保ち、必要な情報(ページ番号や生成日時など)を表示できます。
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データの追加:入社日を追加することで、営業担当者のパフォーマンスを入社日別に分析できます。
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保存と新しいレポート作成:作成したレポートを保存し、必要に応じて新しいレポートを作成できます。