ページ内目次
フォルダ機能概要
基本操作
作成方法
システム管理設定
📂 フォルダ機能
1. フォルダ機能とは?
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Oracle EBS の一部の画面(Forms画面)で使える便利機能。
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画面上で 表示項目の並び順や表示・非表示 を自由にカスタマイズでき、それを保存して再利用できる。
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すべての画面で使えるわけではない。
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WebベースのHTML画面(OAF画面)では使えない。
2. フォルダ機能が使えるかどうかの見分け方
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画面の左上に 小さなフォルダのアイコン がある場合 → その画面でフォルダ機能が利用可能。
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フォルダアイコンがない場合 → フォルダ機能は使えない。
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例:
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取引(Transactions)画面 → フォルダなし(使えない)
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取引の明細(Line Items)画面 → フォルダあり(使える)
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入金(Receipts)メイン画面 → フォルダなし
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入金明細(Application Lines)画面 → フォルダあり
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総勘定元帳(GL)仕訳照会(Journal Inquiry)画面 → フォルダあり(行レベルは編集できないためフォルダなし)
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3. 実際の確認例
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取引画面を開く
→ フォルダアイコンなし → フォルダ機能なし -
同じ取引の「行明細」に移動
→ 左上にフォルダアイコンあり → フォルダ機能あり -
入金画面(メイン)
→ フォルダなし -
入金の適用行(Applications)
→ フォルダあり -
GLの仕訳照会(ヘッダ)
→ フォルダあり -
GLの仕訳行(明細)
→ フォルダなし(編集不可画面のため)
4. まとめ
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フォルダ機能が使える画面の見分け方
→ 「左上にフォルダアイコンがあるかどうか」で判断する。
5. 補足
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フォルダ機能を使うと、例えば「必要な列だけを表示して見やすくする」とか「並び替えをして保存」などができる。
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これはユーザーごとにカスタマイズできるので、業務効率アップに役立つ。
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ただし保存は自分のユーザーにしか効かない(全員に反映されるわけではない)。
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このレッスンでは見分け方だけ説明し、次回で「フォルダの作り方・使い方」を解説予定。
📂 フォルダ機能の基本操作(Oracle EBS)
Oracle E-Business Suiteのフォルダ機能は、画面上の表示項目や並び順をユーザーごとにカスタマイズできる便利な機能です。ここでは、基本的な操作方法を説明します。
🖱 1. フォルダの表示切替
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メニューから対象画面を開き、「フォルダ」メニューを選択
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「フォルダを開く」をクリックすると、保存済みのフォルダ設定を適用できます
🔧 2. 項目の表示/非表示
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項目名を右クリックして「非表示」を選択すると、その列を非表示にできます
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表示を戻す場合は、**「フォルダ」→「列の表示」**から対象項目を選択
↔️ 3. 列幅の調整
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列境界をドラッグして幅を変更
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この設定もフォルダとして保存できます
🔀 4. 並び順の変更
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列見出しをドラッグして表示順を入れ替え
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並び替え順はフォルダ保存時に記録されます
💾 5. フォルダ設定の保存
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「フォルダ」→「フォルダの保存」を選択
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名前を付けて保存すると、次回以降呼び出し可能
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デフォルトフォルダに設定すると、画面を開いた時に自動適用
🗑 6. フォルダ設定の削除
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「フォルダ」→「フォルダの削除」から不要な設定を削除
📌 補足
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フォルダ機能はユーザー単位で管理され、他ユーザーには影響しません
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頻繁に使う項目順やフィルタを設定しておくと業務効率が向上します
📂 フォルダの作成方法(Oracle EBS)
Oracle EBSのフォルダ機能では、自分専用にカスタマイズした画面レイアウトを保存して、いつでも呼び出すことができます。ここでは「新しいフォルダの作成方法」と「便利な使い方」を解説します。
✏ 1. 列名(カラム名)の変更
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列ヘッダーを右クリックすると「名前を変更する」プロンプトが表示されます
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任意の名前に変更可能(例:「Description」→「Item Description」)
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列幅は必要に応じて広げて調整可能
💡 補足:列名を変えると、後でExcelにエクスポートした時も変更後の名前で出力されます。レポートとの整合性を取りたい時に便利です。
💾 2. フォルダの保存
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「フォルダ保存」画面で名前を入力し保存
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**Open as Default(既定として開く)**を選ぶと、次回以降自動でそのフォルダが適用されます
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**Public(公開)**にすると他のユーザーも使用可能
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ただし、公開+既定にすると全員が強制的にそのフォルダで開くため、業務への影響に注意
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🚫 3. Auto Query設定に注意
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「Auto Query(自動検索)」は**常にNever(しない)**推奨
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常時ONにすると、画面を開くたびに勝手に検索し、結果がなければ何も表示されません
🗑 4. フォルダの削除・再作成
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不要になった場合は削除して新規作成
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削除するとその設定は完全になくなるため、再利用はできません
🔍 5. 公開フォルダの扱い
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公開設定されたフォルダは他ユーザーの画面にも表示されます
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共有目的のため変更は推奨されません(多くの人に影響するため)
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自分専用にしたい場合は、公開設定を外して保存
📌 6. 活用のコツ
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よく使う列を左側に寄せ、不要な列は非表示にする
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入力必須項目をまとめて表示すると作業がスムーズ
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列名を分かりやすく変更しておくと、誤入力や見落とし防止に役立つ
📝 まとめ
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列名変更 → 列幅調整 → 必要列だけ残す → 並び替え → 保存
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「既定として開く」は個人用、「公開」は全体用で使い分ける
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Auto Queryは原則使わない
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フォルダ設定はExcel出力にも反映される
📂 システム管理設定
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Oracle E-Business Suite(EBS)では、画面ごとに「フォルダ機能」で列の並び替えや表示名変更ができる。
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しかし、ユーザーが自由に変更できると、列構成がバラバラになったり、間違った設定を共有して混乱が起きる。
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そこで、システム管理者が特定の責任に対して「このフォルダを必ず使う」設定ができる。
2. 設定方法(管理者の作業)
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System Administrator責任でログイン。
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メニューから
Application → Administer Folders
を開く。 -
「Default Folder Assignments by Responsibility」(責任ごとの既定フォルダ割り当て)を選択。
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対象の責任(例:Receivables Student - Brazil)を検索。
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割り当てたいフォルダを選択し、以下の制御方法を決定:
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No Restrictions(制限なし):
フォルダはデフォルトで表示されるが、ユーザーは自由に変更・作成できる。 -
Restrict Fields and Folder Functions(制限あり):
ユーザーはそのフォルダ固定になり、変更や新規作成ができない。
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3. 制限をかけた場合の挙動
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フォルダボタンやアイコンがグレーアウトし、クリックできなくなる。
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必ず管理者が設定したフォルダ構成で画面が開く。
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列の並び替えや列名変更もできない。
4. 注意点・ベストプラクティス
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制限をかけるかどうかはビジネス判断。
自由度を残すとユーザーが自分用にカスタマイズできるが、誤って「公開」にしてしまうと全員に影響する。 -
公開フォルダが乱立すると、
「データが見えない」「間違ったクエリで混乱する」などのトラブルが増える。 -
特に危険なのは、フォルダにクエリ条件を含めて公開してしまうこと。
該当データがない場合「データが消えた」と誤解されることがある。 -
ユーザーにフォルダ機能の正しい使い方を事前に教育することが重要。
5. まとめ
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フォルダを責任単位で固定する方法。
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「制限なし」と「制限あり」の違い。
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ユーザーが自由に作ったフォルダを公開すると起きるトラブル。
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管理者として安全に運用するためのコツ。