Oracle E-Business Suite(EBS)は、企業の業務全体をサポートする統合型アプリケーションスイートで、特に以下のような分野で活用されています:
🔷 Oracle EBSの主なモジュール
分野 | モジュール名 | 概要 |
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会計 | General Ledger(GL) | 総勘定元帳。財務会計の中核。 |
Accounts Payable(AP) | 買掛金管理。請求書や支払処理。 | |
Accounts Receivable(AR) | 売掛金管理。請求と回収。 | |
購買 | Purchasing(PO) | 発注・仕入管理。 |
在庫 | Inventory(INV) | 倉庫や在庫の管理。 |
生産 | Bill of Material(BOM), Work in Process(WIP) | 製造業向け。部品表や作業管理。 |
人事 | Human Resources(HR), Payroll(PY) | 従業員情報や給与計算。 |
プロジェクト管理 | Project Accounting(PA) | プロジェクトのコスト・収益管理。 |
🔷 Oracle EBSの構成
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三層アーキテクチャ
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クライアント層:ブラウザ
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アプリケーション層:各EBSモジュールが動作
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データベース層:Oracle Database
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開発言語/技術
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Oracle Forms / Oracle Reports
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PL/SQL
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OA Framework(OAF)
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Oracle Workflow
🧠 いまEBSを勉強するのって意味あるの?
✅ 結論:まだまだ価値あり!でも将来はクラウドが主流になるかも。
🧾 EBS(Oracle E-Business Suite)とOracle Cloud ERPの違い
項目 | EBS(旧来型ERP) | Oracle Cloud ERP(新しいクラウドERP) |
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画面形式 | フォーム形式 + HTML形式 | HTML形式だけ |
カスタマイズ | たくさんできる(柔軟) | ほぼできない(標準機能中心) |
アップグレード | 自分の好きなタイミングで可能 | Oracleが自動で全社一斉に実施 |
管理者の自由度 | 高い(自分でコントロール可能) | 低い(SaaSなのでOracle管理) |
技術の成熟度 | とても安定している | 新しく、まだバグも多い可能性あり |
学ぶ価値 | 現場ではまだニーズあり | 将来のために学ぶ人が増えている |
🖥 フォーム vs HTMLとは?
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フォーム形式(Formsベース)
Javaアプレットが必要で、昔ながらのUI。開発者には人気だが、使いにくいと感じる人も。 -
HTML形式
今風のブラウザベースのUI。Oracle Cloud ERPではこれが標準。
☝️ EBSの一部機能(例:フォルダ機能)はFormsでしか使えません。
🔧 EBSの「カスタマイズ性」について
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メリット
ビジネスにピッタリのERPが作れる。 -
デメリット
カスタマイズしすぎると、将来的に保守コストが高くなりがち。
Oracle Cloud ERPでは「標準機能に合わせる」ことが求められます。
📦 アップデート管理の違い
EBS | Oracle Cloud ERP | |
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パッチ・アップデート | 自社で管理できる | Oracleが一斉配信(Windows Updateみたい) |
バージョン選択 | 可能 | 不可(常に最新版) |
Oracle Cloud ERPでは、ソフトは「サービス」として提供される(SaaS)。
📈 今EBSを学ぶのは無意味? → そんなことない!
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EBSは10年以上使われている安定したシステム
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多くの企業がいまだにEBS R12を使っている(特に大企業)
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Oracle Cloud ERPはまだ発展途上で、導入している企業は少ない
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OracleもEBSの開発・サポートを2030年まで続けると公表している
🌍 実務・キャリアの観点から
🎯 EBSを学ぶべき人
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既存システムの運用・保守に関わる予定がある人
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大企業のERPユーザーになりたい人
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コンサルやエンジニアとしてEBSプロジェクトに参加したい人
🎯 Cloud ERPを学ぶべき人
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新技術に興味がある人
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将来を見据えてキャリアを伸ばしたい人
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クラウド環境でのコンサルを目指している人
🔜 補足:Fusion Cloudって何?
「Fusion Cloud」とは、OracleがEBS・PeopleSoft・JD Edwards・Taleoなどの旧来ERPの“いいとこ取り”をして作った、新世代のクラウドERPのことです。
つまり、EBSを知っているとCloud ERPの基礎も分かりやすくなります!
📌 まとめ
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Oracle EBSはまだまだ多くの会社で使われていて、学ぶ価値はある
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将来的にはOracle Cloud ERPが主流になるけど、すぐにはなくならない
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もしあなたがEBS初心者なら、今からでも全然OK!
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Cloud ERPを学ぶなら、EBSの知識が土台になって役立つ
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Oracleも2030年までEBSをサポートすると言っているので、今すぐ消える心配なし