🚀 はじめに:Mavenクイック・スタート・プロジェクトへようこそ!
Mavenプロジェクトの基本的なセットアップ方法を、GitHubとの連携を含めてステップごとに解説します。初めてMavenを使う方でも、これを見ればすぐにプロジェクトを始められます!
📝 第1章:GitHubリポジトリの準備
まずは、プロジェクトの土台となるGitHubリポジトリを作成しましょう。
1. GitHubにアクセスしてサインイン
URL:
github.comアカウントにサインインします。
2. 新しいリポジトリの作成
サインイン後、画面右上の 「New」 ボタン(または左上のOctocatアイコンからダッシュボードへ)をクリックします。
Repository name(リポジトリ名):
maven-quick-startと入力しましょう。Description(説明): プロジェクトの内容を簡単に書きます。例:「Maven Quick Start Projectで使用するサンプルプロジェクト」
公開/非公開:
Publicのままにします。初期化設定:
「Add a README file」: チェックを入れます。
「Add .gitignore」:
Mavenを選択します。これにより、プロジェクトで不要なファイルがGitに追跡されないようになります。「Add a license」: 任意で追加します。
最後に 「Create repository」 をクリックして完了です。
💻 第2章:ローカル環境のセットアップ
次に、作成したGitHubリポジトリを、自分のPCに複製(クローン)します。
1. リポジトリのURLをコピー
作成したリポジトリのページを開きます。
Codeボタンをクリックし、HTTPS タブであることを確認して、表示されるURLの横にある**「コピー」**ボタンをクリックします。
2. ターミナルで作業ディレクトリを作成
ターミナル(MacならTerminal、WindowsならコマンドプロンプトやGit Bashなど)を開きます。
プロジェクトを管理するディレクトリを作成し、移動します。
mkdir projects
cd projects
3. リポジトリをクローン
git cloneコマンドを使って、先ほどコピーしたURLを貼り付け、実行します。
git clone https://github.com/ユーザー名/maven-quick-start.git
ls -alコマンドで、maven-quick-startというフォルダーが作成されていることを確認します。
📂 第3章:Mavenの標準ディレクトリ構造
Mavenプロジェクトには、ソースコードやリソースを配置する場所のルールがあります。これを「標準ディレクトリ・テンプレート」と呼びます。
1. 主なディレクトリ
src/main/java: アプリケーションのメインのJavaソースコードを配置します。src/main/resources: 設定ファイルやプロパティファイルなど、メインのソースコードで利用するリソースを配置します。src/test/java: ユニットテスト用のJavaソースコードを配置します。src/test/resources: ユニットテストで利用するリソースを配置します。
2. ディレクトリの作成
maven-quick-startディレクトリに移動し、上記のフォルダ構造をまとめて作成します。
cd maven-quick-start
mkdir -p src/main/java src/main/resources src/test/java src/test/resources
3. 空のディレクトリをGitに保持する
Gitは空のディレクトリを追跡しません。将来的にこの構造を保つために、各ディレクトリにダミーファイルを置きます。慣習として .gitkeep というファイル名が使われます。
touch src/main/java/.gitkeep
touch src/main/resources/.gitkeep
touch src/test/java/.gitkeep
touch src/test/resources/.gitkeep
📝 第4章:pom.xml ファイルの作成と設定
pom.xmlは、Mavenプロジェクトの中心となる設定ファイルです。
1. サンプルpom.xmlの取得
GitHubの「
programming-clinic/maven-quick-start-course」リポジトリにアクセスします。minimalフォルダ内のpom.xmlの内容をコピーします。
2. pom.xmlをプロジェクトに作成
プロジェクトのルートディレクトリに、テキストエディタで
pom.xmlを作成します。
# Macの場合
mate pom.xml
# Windowsの場合
notepad pom.xml
3. pom.xmlの内容を編集
コピーした内容を貼り付け、以下の項目を編集します。
<groupId>: Javaのパッケージ名のようなもの。通常はドメイン名を逆にしたものを設定します。(例:com.example)<artifactId>: 作成するjarファイルの名前。プロジェクト名と同じにすることが多いです。(例:maven-quick-start)<version>: プロジェクトのバージョン番号。(例:1.0)
🔨 第5章:ビルドと実行
pom.xmlとディレクトリ構造ができたので、実際にMavenコマンドを実行してみましょう。
1. Javaソースファイルの追加
src/main/javaの下に、パッケージ名に合わせたディレクトリ構造を作成します。例えば、clinic.programming.trainingというパッケージなら、clinic/programming/trainingというフォルダを作成します。
mkdir -p src/main/java/clinic/programming/training
programming-clinic/maven-quick-start-courseリポジトリにあるApplication.javaの内容をコピーし、先ほど作成したディレクトリ内にApplication.javaとして保存します。
2. ビルドコマンドの実行
プロジェクトのルートディレクトリで、
mvn packageコマンドを実行します。mvn: Mavenコマンドの起動package:pom.xmlに基づいて、プロジェクトをビルドし、jarファイルを作成するフェーズ
mvn package
ビルドが成功すると、
targetディレクトリが作成され、その中にmaven-quick-start-1.0.jarが生成されます。
3. アプリケーションの実行
生成されたjarファイルを、
javaコマンドで実行します。
java -cp target/maven-quick-start-1.0.jar clinic.programming.training.Application
実行結果として、
System.out.printlnで定義したメッセージが表示されるはずです。
🧹 第6章:プロジェクトのクリーンアップ
ビルド後に生成されたファイルを削除して、プロジェクトをクリーンな状態に戻すことができます。
mvn cleanコマンドを実行すると、targetディレクトリが削除されます。
mvn clean
packageとcleanを同時に実行することもできます。この場合、cleanが先に実行されます。
mvn clean package
📤 第7章:変更をGitHubにプッシュ
ローカルでの作業内容をGitHubにアップロードして、変更を保存しましょう。
1. 変更をGitにステージング
git statusコマンドで、新しく追加されたファイルを確認します。git add .またはgit add -Aで、変更内容をステージングします。
git add .
2. 変更をコミット
-mオプションを使ってコミットメッセージをつけ、コミットします。
git commit -m "Adding Application Java source and project structure"
3. GitHubにプッシュ
git pushコマンドで、変更をGitHubに送信します。
git push origin master
これで、GitHubリポジトリにローカルでの変更が反映されていることを確認できます。
