Maven Eclipse操作

 


💻 Maven×Eclipse:IDEで開発を加速

これまでコマンドラインとテキストエディタでMavenプロジェクトを扱ってきましたが、より効率的な開発には統合開発環境(IDE)の利用が不可欠です。

世界中の開発者に愛用されているIDE「Eclipse」とMavenを連携させ、プロジェクトの作成からビルド、Git連携まで、一連の流れを詳しく解説します。

🚀 ステップ1: EclipseのセットアップとMaven統合

まずはEclipseをダウンロードして、Mavenの実行環境を設定しましょう。

  1. Eclipseのダウンロード: Eclipse公式サイトからインストーラーをダウンロードします。「Eclipse IDE for Java EE Developers」など、あなたの開発スタイルに合ったパッケージを選択してください。

  2. Mavenのインストールパスを設定: Eclipseを起動し、以下の手順でMavenのインストール先を指定します。

    • Window -> Preferences -> Maven -> Installations

    • Add...ボタンをクリックして、あなたが使用しているMavenのディレクトリを指定します。

    この設定により、コマンドラインとEclipseのどちらからでも同じMaven環境を使用できるようになります。

📁 ステップ2: EclipseでMavenプロジェクトを操作する

Eclipseでは、新しいMavenプロジェクトの作成や、既存プロジェクトのインポートがGUIで簡単にできます。

新しいMavenプロジェクトを作成する

  1. File -> New -> Other...

  2. MavenフォルダからMaven Projectを選択し、Nextをクリック。

  3. ウィザードの指示に従って、グループIDアーティファクトIDバージョンなどを入力します。

  4. Finishをクリックすると、src/main/javasrc/test/javaなどの標準的なフォルダ構成と、pom.xmlファイルが自動で生成されます。

既存のMavenプロジェクトをインポートする

  1. File -> Import...

  2. MavenフォルダからExisting Maven Projectsを選択し、Nextをクリック。

  3. Browse...をクリックして、インポートしたいMavenプロジェクトのルートディレクトリを選択します。

  4. Finishをクリックすると、プロジェクトがワークスペースにインポートされます。


📝 ステップ3: pom.xmlをグラフィカルに編集する

Eclipseでpom.xmlをダブルクリックすると、生のXMLファイルではなく、より見やすいGUIが表示されます。

タブ名説明
Overviewプロジェクトの基本情報(座標、バージョンなど)を編集できます。
Dependenciesプロジェクトの依存関係を一覧表示・管理できます。スコープ([test]など)も一目でわかります。
Dependency Hierarchy依存関係のツリー構造をグラフィカルに表示します。推移的依存関係の確認に便利です。
Effective POM親POMやスーパーPOMを統合した、最終的な設定内容を確認できます。
pom.xml生のXMLファイルを直接編集したい場合は、このタブに切り替えます。

GUIで変更した内容は、XMLファイルに自動で反映されます。

⚙️ ステップ4: Eclipse内でMavenのゴールを実行する

Eclipseでは、プロジェクトを右クリックするだけでMavenの様々なゴールを実行できます。

  1. プロジェクトを右クリック -> Run As

  2. 以下のようなMavenゴールを選択します。

    • Maven clean: ビルド成果物を削除します。

    • Maven install: cleanからinstallまでのライフサイクル全体を実行します。

実行結果は、EclipseのConsoleビューに表示されます。

また、Run As -> Maven build...を選択すると、実行するゴールをカスタマイズしたり、Mavenのバージョンを切り替えたりといった、より詳細な設定が可能です。

🤝 ステップ5: Git連携で変更を管理する

EclipseはGitとの統合機能も備えており、変更のコミットやプッシュをIDE内で行えます。

  1. コミット:

    • プロジェクトを右クリック -> Team -> Commit...

    • 変更されたファイルを選択し、コミットメッセージを入力してCommitをクリックします。

  2. .gitignoreの設定:

    • Eclipseが生成するIDE固有の設定ファイル(.classpath, .project, .settingsなど)は、Gitリポジトリに含めないのが一般的です。

    • プロジェクトのルートディレクトリで.gitignoreファイルを作成し、以下の行を追加します。

    .classpath
    .project
    .settings/
    
    • これにより、不要なファイルがコミットされるのを防げます。

  3. プッシュ:

    • プロジェクトを右クリック -> Team -> Remote -> Push...

    • 設定されたリモートリポジトリ(GitHubなど)に、ローカルの変更をプッシュします。

IDEとMavenの連携を使いこなせば、コマンドラインよりも視覚的で効率的に開発を進められます。


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