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新リース会計基準
リースの識別
リース期間
会計処理
免除規定
リース会計が大きく変わる!あなたの会社も影響があるかも?😱
こんにちは!今日は、ちょっと難しそうに聞こえる「リース会計の改正」について、超分かりやすく解説していきます。
「リース」と聞くと、車やコピー機を借りるイメージが浮かびますよね。実はこのリース、会社の会計処理において、これまでのルールが大きく変わることになったんです。この変更は、多くの会社、特に上場企業やその子会社にとっては避けて通れない重要なトピックです。
では、具体的に何がどう変わるのか、一緒に見ていきましょう!👀
従来のリース会計ルールってどんなものだったの?📝
これまでのリース会計は、リースを「ファイナンスリース」と「オペレーティングリース」の2種類に分けていました。
この2つの違いを簡単に言うと…
ファイナンスリース:実質的に「買った」のと同じようなリース。途中で解約できず、リース期間を通じてほとんどの費用を支払うようなものです。
会計処理:購入したのと同じように、資産(リース資産)と負債(リース負債)の両方を会社の貸借対照表(バランスシート)に載せる必要がありました。これをオンバランスといいます。
オペレーティングリース:一般的な賃貸借のような「借りた」だけのリース。オフィスビルの家賃や、短期間のリースなどがこれに当たります。
会計処理:貸借対照表に載せる必要はなく、毎月支払うリース料をそのまま費用として計上するだけでした。これをオフバランスといいます。
この「オフバランス」がポイントでした。オペレーティングリースは、会社の財務諸表に資産や負債として表示されないため、一見すると会社の資産が少なく、負債も少ないように見せることができたんです。
新しいリース会計のルールはどう変わるの?💡
新しいルールでは、このファイナンスリースとオペレーティングリースの区別がなくなります!
なんと、ほとんどすべてのリースがファイナンスリースと同じように、オンバランス処理をしなければならなくなります。
つまり、これまでオフバランスで処理できた「オフィスビルや店舗の家賃」「営業車や複合機のリース」なども、今後は会社の貸借対照表に「使用権資産」と「リース負債」として載せる必要があるということです。
これは、国際的な会計基準(IFRS)に合わせるための変更です。世界の基準と足並みを揃えることで、海外の投資家などが日本の会社の財務状況をより正確に比較・分析できるようになります。
どんな会社が影響を受けるの?🏢
この新しいルールは、すべての会社に適用されるわけではありません。強制的に適用されるのは、主に以下の会社です。
つまり、中小企業や零細企業で、上場も目指していない会社であれば、従来通りの会計処理でOKです。
リース会計の変更で会社にどんな影響があるの?📊
この変更は、会社の財務諸表の見た目をガラリと変えてしまいます。特に以下の2つの側面に大きな影響があります。
1. 貸借対照表(BS)への影響
これまでオフバランスだったリースがオンバランスされることで、貸借対照表の資産と負債の金額が大きく膨らみます。
これにより、会社の安全性を測る以下の経営指標が悪化して見えてしまいます。
自己資本比率の低下:会社の財務の健全性を示す指標。負債が増えるため、比率が下がります。
総資産回転率の低下:資産をどれだけ効率的に使って売上を上げているかを示す指標。資産が増えるため、回転率が下がります。
総資産利益率(ROA)の低下:資産に対してどれだけの利益を出しているかを示す指標。資産が増えるため、率が下がります。
実態は何も変わっていなくても、これらの数字が悪化して見えてしまうため、決算書を読む際には注意が必要です。
2. 損益計算書(PL)への影響
従来のオペレーティングリースでは、支払ったリース料がそのまま販売費及び一般管理費(販管費)として計上されていました。
新しいルールでは、リース料が「減価償却費」と「支払利息」の2つに分かれて計上されます。この変更によって、営業利益が若干増加することになります。
<PLの変化>
また、EBITDA(イービットディーエー)という、企業の収益力を示す指標も大きく上昇する傾向にあります。
いつから新しいルールが適用されるの?🗓️
新しいリース会計基準は、2027年4月1日以降に始まる会計年度から強制適用されます。
たとえば、3月決算の会社であれば、2028年3月期の決算から適用がスタートすることになります。
企業の経理担当者にとっては、この変更に対応するために、事前の準備がとても重要になります。
この改正は、企業の見た目の財務状況を大きく変えますが、実態は何も変わっていません。しかし、この変更を理解していなければ、決算書を誤って解釈してしまう可能性があります。
あなたの会社の契約、実は「隠れリース」かも?👀
こんにちは!今回は、新しいリース会計基準で最も重要な**「リースってそもそも何?」**というテーマについて、簡単に解説していきます。
「リース契約」と書かれた契約書だけがリースだと思っていませんか?実は、契約書の名前に関係なく、実態としてリースと見なされる契約がたくさんあるんです。
これを理解しないと、知らず知らずのうちのうちに新しいルールに対応しきれず、大変なことになってしまうかもしれません。😱
それでは、どんな契約がリースになるのか、そしてどうやって見分ければいいのか、一緒に見ていきましょう!
新しいルールでの「リース」の定義とは?📖
新しい会計基準では、リースを以下のように定義しています。
リースとは、特定された資産の使用を支配する権利を、一定期間にわたって対価と交換に移転する契約、または契約の一部をいう。
なんだか難しく聞こえますよね。これを分解して、ポイントを3つに絞って解説します。
特定された資産:借りるものが、はっきり決まっていること。
使用を支配する権利:借りたものを、自分で自由に使えること。
対価と交換:お金を払って、その権利を得ること。
この定義のポイントは、「使用権」にあります。所有権がなくても、その資産を自分でコントロールして使える権利があれば、それはリースと見なされるんです。だから、新しい会計基準では、オンバランスする資産を「使用権資産」と呼ぶことになります。
契約書の名前だけでは判断できない?🧐
ここが一番重要なポイントです!
たとえ契約書のタイトルが「製造委託契約」や「倉庫保管契約」など、リースと全く関係なさそうに見えても、その契約内容に以下の条件が含まれていれば、それは「隠れリース」として判断される可能性があります。
このように、契約書の内容を一つひとつチェックし、実態としてリースに該当するかどうかを判断する必要があります。
3つのステップで「リース」を識別しよう!🕵️♂️
では、具体的にどうやってリースかどうかを判断すればいいのでしょうか?そのための3つのステップを見ていきましょう。
ステップ1:資産の特定
まずは、借りているものが「特定された資産」かどうかを判断します。以下の2つの条件を満たす必要があります。
✅ 条件1:物理的に個別の資産を特定できるか?
「この機械を借りている」と、はっきり特定できる必要があります。
✅ 条件2:貸し手の都合で資産の入れ替えができないか?
借り手が指定した機械を、貸し手の都合で勝手に別の機械に交換されるような契約ではないこと。
この2つをクリアすれば、ステップ1はOKです。
ステップ2:経済的利益の享受
次に、借りた資産から生じる経済的な利益を、借り手がほとんど独占的に享受できるかどうかを判断します。
✅ 条件:対象資産から得られる利益の「ほとんど全て」を独占的に利用できるか?
例えば、借りたガスタンクのガスを99.9%使えるならOKです。しかし、半分しか使えない場合は、この条件を満たしません。
ステップ3:支配権の移転
最後に、借り手がその資産の「使用方法を支配」できているかを判断します。以下の3つの条件を、順番にチェックします。
① 使用方法を指図できるか?
借りている機械を「どう使うか」を、借り手側が決められるかどうか。決められるならリースに該当します。
② 借り手自身が稼働させられるか?
使用方法の決定権がはっきりしなくても、借り手が機械を実際に動かしているなら、リースに該当します。
③ 資産の設計を借り手が行ったか?
上記2つに当てはまらない場合でも、借りている資産の設計を借り手が行ったのであれば、リースに該当します。
まとめ:リースと判断されたらどうなるの?📝
この3つのステップを経て**「リースに該当する」**と判断された契約は、新しいリース会計基準にのっとって会計処理を行う必要があります。
具体的には、オンバランス(貸借対照表に「使用権資産」と「リース負債」を計上)し、減価償却費と支払利息を計上します。
逆に、どれかの条件を満たさず「リースに該当しない」と判断された契約は、これまで通りのオペレーティングリースとして、毎月支払う料金を費用として計上するだけでOKです。
リース期間って「契約書の期間」だけじゃないってホント?🗓️
こんにちは!今回は、新しいリース会計基準における「リース期間」の考え方について、分かりやすく解説していきます。
「リース期間は契約書に書いてある通りでしょ?」と思うかもしれませんが、実はそう単純ではありません。特に「延長オプション」や「解約オプション」が付いている場合、会計上のリース期間は、契約書に書かれた期間とは異なる場合があります。
新しいルールでは、このリース期間の決定がオンバランスされる資産や負債の金額に直結するため、とても重要なポイントになります。
それでは、具体的にどうやってリース期間を判断するのか、一緒に見ていきましょう!
基本の考え方:解約不能期間をベースに考える💡
まず、リース期間を考える上で最も重要なのが**「解約不能期間」**です。これは、途中で契約を解除できない期間のこと。
リース期間を計算する際のスタート地点は、この「解約不能期間」になります。
このケース2のように、契約期間すべてが解約不能期間とは限りません。ここがポイントです。
リース期間を左右する「オプション」の判断ポイント!🤔
解約不能期間がベースになりますが、契約にオプションが付いている場合は、そのオプションを「行使する可能性」を考慮して、期間を再計算する必要があります。
1. 「延長オプション」が付いている場合
リース期間を延長できるオプションが付いている場合、以下の基準で判断します。
💡どうやって「合理的かつ確実」と判断する?
たとえば、オフィスを借りて大規模な内装工事をしたとします。2年間のリース期間では、その内装にかかった費用を回収できないと判断される場合、経済的な合理性から考えて「延長オプションを行使することは確実だ」と判断される可能性が高くなります。
2. 「解約オプション」が付いている場合
逆に、途中で解約できるオプションが付いている場合、以下の基準で判断します。
💡どうやって「行使しないことが確実」と判断する?
これは、過去の実績や今後の事業計画に基づいて判断します。過去の契約でほとんど解約オプションを行使しなかった場合や、その資産を長期にわたって使用する計画がある場合、**「解約しないことが確実」**と判断されることになります。
まとめ:リース期間の決定フローチャート📄
契約書に書かれた期間に惑わされず、以下のステップでリース期間を決定しましょう。
契約書を確認し、まずは「解約不能期間」を特定する。
「延長オプション」があれば、行使することが確実か判断する。
確実 → 解約不能期間にオプション期間を加算する。
「解約オプション」があれば、行使しないことが確実か判断する。
確実 → 解約不能期間にオプション期間を加算する。
確実ではない → 解約不能期間のみをリース期間とする。
このように、リース期間は「経済的な合理性」や「将来の確実性」を考慮して判断されます。契約書の文面だけでなく、その背景にある事業実態まで踏み込んで検討することが重要です。
新しいリース会計の計算方法をマスターしよう!💰
こんにちは!今回は、新しいリース会計の核心部分である「リース負債」と「使用権資産」の計算方法について、具体的な数字を使って解説していきます。
「現在価値」や「利息法」なんて言葉が出てきて難しそうに感じるかもしれませんが、ご安心ください。一つずつ丁寧に見ていけば、きっと理解できます!
ステップ1️⃣:まず「リース負債」を計算しよう!
リース負債とは、将来支払うリース料の合計を、現在の価値に換算したものです。
「え?将来払うお金をそのまま合計するんじゃないの?」と思うかもしれません。お金は、今使えるお金と1年後に使えるお金では価値が違う、という考え方(時間の価値)があるため、この「現在価値」という考え方が必要になります。
計算例を見てみよう!
リース料:年200万円
リース期間:3年間
割引率:1%(会社が銀行から追加で借り入れをする際の金利)
この場合、単純な合計額は200万円 × 3年 = 600万円です。しかし、これを現在価値に換算すると、以下のようになります。
この588.2万円が、貸借対照表(バランスシート)に計上される「リース負債」の金額になります。
ステップ2️⃣:「使用権資産」を計算しよう!
「使用権資産」は、ステップ1で計算したリース負債の金額をベースに、調整を加えたものです。
使用権資産 = リース負債の金額 + 付随費用等 - リースインセンティブ
💡付随費用とは?
リース物件を導入する際にかかった設置費用など。
事前に支払った前払いリース料。
将来、資産を撤去する際にかかる費用(資産除去債務)など。
💡リースインセンティブとは?
フリーレント(最初の1ヶ月は家賃無料など)のように、貸し手からもらえる特典のこと。
もし付随費用やインセンティブがなければ、リース負債の金額と使用権資産の金額は同じになります。
たとえば、リース負債が588.2万円で、付随費用が100万円かかった場合、使用権資産は588.2万円 + 100万円 = 688.2万円となります。
ステップ3️⃣:その後の会計処理(減価償却と利息法)
無事に資産と負債を計上できたら、今度は毎月の会計処理を行います。
1. リース負債の処理(利息法)
毎月払うリース料は、「利息部分」と「元本返済部分」に分けられます。この分け方を「利息法」といいます。
利息部分:その期間の費用として計上されます(支払利息)。
元本返済部分:リース負債を減らすことになります。
利息法の特徴は、リース期間の最初の頃は利息部分が多く、元本返済部分が少ないこと。時間が経つにつれて、利息部分が減り、元本返済部分が増えていきます。
たとえば、毎月100万円のリース料を払う場合でも、最初は利息が33万円、元本が67万円だったものが、徐々に利息が減っていき、元本が多くなっていくイメージです。
2. 使用権資産の処理(減価償却)
使用権資産も、通常の固定資産と同じように**「減価償却」**をします。
耐用年数:所有権が借り手に移転しない場合は**「リース期間」**が耐用年数になります。
減価償却費の計算:使用権資産の金額を、耐用年数で割って計算します(定額法の場合)。
たとえば、使用権資産が100万円で耐用年数が5年の場合、100万円 ÷ 5年 = 年間20万円ずつ、費用として計上されます。
まとめ:新しい会計処理の流れ🔄
リース負債を計算(未払いリース料の現在価値)
使用権資産を計算(リース負債に付随費用などを加減)
毎月のリース料を「利息」と「元本」に分けて会計処理する。
使用権資産を**耐用年数で「減価償却」**する。
このように、新しいリース会計は少し複雑ですが、企業の財務状況をより正確に反映するための重要な変更です。
短い・安いリースなら大丈夫? 免除規定でオフバランスを有効活用!💡
こんにちは!今回は、新しいリース会計基準における、ちょっと嬉しい「免除規定」についてお話しします。
原則として、すべてのリースをオンバランス(貸借対照表に計上)しなければならない新しいルールですが、実は例外があります。
特定の条件を満たすリースについては、これまで通りオフバランス(費用として計上するだけ)でOKなんです!
「うちの会社にも当てはまるかも?」と思った方、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
免除規定の結論:「短期」と「少額」はオフバランスOK!👍
新しいリース会計基準では、以下の2つのケースに当てはまるリースをオフバランスにすることができます。
1. 短期リースってどのくらい?🗓️
短期リースとして認められるのは、以下の両方の条件を満たす場合です。
✅ リース期間が12ヶ月以内
✅ 購入オプションを含まない
「購入オプション」とは、リース期間終了後にその資産を買い取れる権利のことです。もし購入オプションが付いていると、たとえリース期間が12ヶ月以内でも短期リースとは認められませんので注意しましょう。
2. 少額リースってどのくらい?💰
少額リースとして認められるのは、以下のどちらかの条件を満たす場合です。
✅ リース料の総額が300万円以下
これは従来の会計ルールから引き継がれた基準です。
✅ 新品時の資産の価値が5,000米ドル以下
国際的な会計基準(IFRS)と足並みを揃えるための基準です。
これらの金額基準は、リース契約1件ごとの判断となります。細かいリースがたくさんある場合でも、1件あたりがこの基準を下回っていれば、オフバランスにできる可能性があります。
無形固定資産も対象外!🖥️
もう一つ、覚えておきたい重要な免除規定があります。
それは、無形固定資産はリース会計の対象外であることです。
「無形固定資産」とは、形がなく目に見えない資産のことです。たとえば、SAPやOracleといったクラウド型のソフトウェアやERPシステムなどがこれに当たります。
これらのシステムを月額利用料で使っている場合、「リース」のように感じられますが、あくまで目に見える「有形」の資産ではないため、新しいリース会計基準の対象外となります。
したがって、これらの利用料は、これまで通り費用として計上するだけでOKです。
まとめ:免除規定を賢く使おう!✅
新しいリース会計基準は、上場企業や大企業にとって大きな影響がありますが、この免除規定をうまく活用すれば、会計処理の手間を軽減できます。
会社の経理担当者の方は、この免除規定をしっかり理解して、効率的な会計処理を目指してください。