Oracleデータベースインストール

 


🖥 仮想マシン環境の構築(VirtualBox)

Oracleサーバー用に仮想マシン(VM)を構築します。
Windowsホストマシン上に VirtualBox を使って LinuxゲストOS を実行します。


✅ VirtualBoxとは?

  • GUIとコマンドライン両方の操作が可能な仮想化ソフトウェア

  • ホスト(Host):VirtualBoxソフトが動作している実際のPC(今回の例ではWindows)

  • ゲスト(Guest):仮想化されたOS(今回の例ではOracle Linux)

1台のホスト上で、複数のゲストOS(仮想マシン)を起動可能(ハードウェアリソースが許す限り)。


🛠 仮想マシン構築ステップ

1. VirtualBoxのインストール

  • ダウンロードサイト:https://www.virtualbox.org

  • 自分のホストOS(例:Windows)を選んでインストーラをダウンロード

  • インストール完了後、デスクトップに VirtualBoxアイコンが作成される


2. 仮想マシンの作成(OrclServerVM)

  • VirtualBoxマネージャーを起動し、「新規作成」をクリック

  • 名前:OrclServerVM

  • OSタイプ:Linux

  • バージョン:Oracle Linux(64-bit)

  • メモリ:2GB(推奨はできるだけ多く)


3. 仮想ハードディスクの作成

  • 種類:VDI(VirtualBox Disk Image)

  • サイズ割当方式:

    • 可変(Dynamically allocated):使用に応じて拡張

    • 固定(Fixed size)も選べるが今回は可変を選択

  • 容量:50GB


🧩 仮想マシンの設定

📌 システム設定

  • メモリやCPUコア数などを調整可能

  • 音声機能は無効化(サーバ用途には不要)


🌐 ネットワーク設定

VirtualBoxでは仮想ネットワークアダプタが最大4つ使用可能
各アダプタに異なるネットワークモードを設定可能:

アダプタ1(インターネット接続用)

  • **ブリッジアダプタ(Bridged Adapter)**を使用

  • ホストと同じネットワーク上に配置される(例:Wi-FiやEthernet経由)

アダプタ2(ホストとの内部通信用)

  • ホストオンリーアダプタ(Host-only Adapter)

  • 仮想マシン同士、およびホストとだけ通信できるネットワーク


Oracle Linux のダウンロードとインストール手順


🧭 ステップ 1:Oracle Linux のブートイメージをダウンロード

  1. Oracle Software Delivery Cloud にアクセス
    (※アカウントが必要。未作成の場合はまず作成する)

  2. 検索欄に「Oracle Linux」と入力して検索

  3. 一覧から最新版の Oracle Linux を選択

  4. プラットフォームを指定(例:x86_64)

  5. Oracle のライセンス規約に同意してダウンロードを続行

  6. ブートイメージ(boot image) だけを選択し、ダウンロードボタンを押す
    ※実際にダウンロードされるのは「ダウンローダー(.exeファイル)」

  7. ダウンローダーを起動すると、Oracle Download Manager が実行され、ダウンロードが自動で始まる

  8. 数分後に完了し、ブートイメージの入手が完了


🖥 ステップ 2:仮想マシンに Oracle Linux をインストール

  1. VirtualBoxマネージャーで作成済みの仮想マシンを起動

  2. ダウンロードしたブートイメージを使って起動

  3. 起動後、インストールオプションを選択し、Enterキーを押す

  4. Oracle Linux のインストーラが立ち上がるので、言語選択(例:English)をして「Continue」


🌐 ステップ 3:ネットワーク設定

  • ネットワークインターフェースを有効化

  • 自動で IPアドレス、デフォルトゲートウェイ、DNS が割り当てられる

  • サーバーの ホスト名 を設定

  • 「Done」で次へ


📦 ステップ 4:インストールソースとソフトウェア選択

  • Public Yum Repository URL を使用

  • URLが正しく読み込まれるとエラーが消える

  • ソフトウェアはデフォルト設定でOK


💽 ステップ 5:ストレージ設定(パーティション)

※今回の例では、前回のインストール残骸を削除し、以下の3つのパーティションを新規作成:

パーティションマウントポイントサイズ
/boot/boot1GB
swapスワップ領域5GB(※RAMの3倍推奨)
/(ルート)/残りすべて

「Done」→ 「変更を受け入れる(Accept Changes)」

🔐 ステップ 6:rootパスワードの設定とインストール開始

  • rootユーザーのパスワードを設定し、インストールを開始

  • 数分待てばインストールが完了


🔁 ステップ 7:再起動とログイン確認

  • サーバーを再起動

  • rootユーザーと先ほど設定したパスワードでログイン成功


Oracle Database 19c サイレントインストール手順(VirtualBox環境)


🧹 ステップ 1:ブートイメージの取り外しと仮想マシンの起動

  • Oracle Linux インストール後は、ブートイメージ(ISO)を仮想ドライブから取り外す

  • 仮想マシン(Oracle Server)を再起動

  • rootユーザーでログインできることを確認


🌐 ステップ 2:ネットワーク接続とSSH準備

  • ip a などで IPアドレス確認

  • SSH接続のため、PuTTYなどのクライアントから接続できるように

  • 接続情報:IPアドレス・ユーザー名(root)・パスワード


🛠 ステップ 3:OSと環境のアップデート・初期設定

  • yum update コマンドでパッケージの最新版へ更新

  • サーバーを再起動し、再度SSH接続


📦 ステップ 4:Oracle Pre-Installation RPM のインストール

  • dnf パッケージマネージャを使用し、Oracle preinstall RPM をインストール

  • このRPMは以下を自動設定:

    • 必要なパッケージの依存解決

    • oracleユーザーとグループ(DBA, OINSTALL)の作成

    • カーネルパラメータの変更

    • リソース制限(ulimitなど)


💻 ステップ 5:Oracle Database 19c のダウンロード

  • Oracle Software Delivery Cloud にアクセスし「Oracle Database 19.3」を検索

  • 「Long Term Release」と「Database Client」選択

  • ライセンスに同意後、**ダウンロードマネージャ用の実行ファイル(.exe)**をDL

  • 実行して、データベースインストーラ(ZIP)をダウンロード


📂 ステップ 6:Windows → Linux へファイル転送

  • scp コマンドを使用して、Windows から Linux(Oracle Server)へZIPファイル転送


📁 ステップ 7:Oracleディレクトリ構成の準備

  • /u01/app/oracle などにディレクトリ作成

  • 所有者を oracle:oinstall に設定

  • /u01/app/oracle/product/19.0.0/dbhome_1ORACLE_HOME として設定

  • その中で ZIP を unzip


⚙ ステップ 8:サイレントインストール用のレスポンスファイル編集

  • db_install.rsp(テンプレート)をコピーし編集

  • 主な設定項目:

    • oracle.install.option=INSTALL_DB_AND_CONFIG

    • UNIX_GROUP_NAME=oinstall

    • INVENTORY_LOCATION=/u01/app/oraInventory

    • ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/19.0.0/dbhome_1

    • ORACLE_BASE=/u01/app/oracle

    • oracle.install.db.Edition=EE(エンタープライズ版)

    • oracle.install.db.OSDBA_GROUP=oinstall

    • コンテナDB設定・SID・PDB名・文字セット・メモリ制限など

    • サンプルスキーマを読み込み

    • ファイルシステムストレージ(※学習用)


🏗 ステップ 9:インストールの実行

  • runInstaller -silent -responseFile <パス> を実行

  • 最初の試行は OS バージョン未対応メッセージで失敗

    • export CV_ASSUME_DISTID=OL7.6 などで回避策を実施

  • レスポンスファイルの設定漏れ修正後、再度インストールを実施

  • 警告は無視してOK

  • インストール成功メッセージが出力される


🔄 ステップ 10:Post-Install スクリプトとDB作成

  • rootユーザーで指示された2つのスクリプトを実行

  • oracleユーザーで DB作成用の runInstaller を再実行(構成用)

  • 30分程度待機で Oracle DB が構成される


✅ ステップ 11:接続確認

  • sqlplus / as sysdba 等で DB に接続

  • ログイン成功!Oracle Database 19c をサイレントモードでインストール完了