メインフレームについて整理してみた


 メインフレームとは?  

メインフレームは、大規模なデータ処理と高い信頼性を必要とするシステムで、多くの企業が使用している。オープン系システムと比較して、メインフレームは大量のデータを処理しつつ、システムダウンやデータ損失を極力避けることができる信頼性、可用性、保守性(RAS)が高い点が特徴。また、拡張性に優れていて、長期的な安定運用が可能。垂直スケーリングに優れていることが強みに感じる。(逆に分散処理は苦手)可用性についてもクラウドでは地理的な冗長によって向上させているが、メインフレームでは一台で高可用性を実現しているところも強みに感じる。

 なぜメインフレームを使用し続けるのか?  

銀行、クレジットカード会社、航空会社などでは、取引処理の正確性とスピードが求められるため、メインフレームの信頼性とスケーラビリティが重要。数百万件のトランザクションをリアルタイムで処理するため、データの整合性を維持しながら高可用性を確保できるメインフレームが最適な選択肢とされている。あとは、分散型システムやクラウドへの移行では、レガシーシステムを再構築する必要があり、完全な互換性を保つのは難しい。

 現在のメインフレームのシェア状況  

メインフレーム市場では、IBMが約90%のシェアを占め、一強状態。特にIBMのzシリーズは、最新のテクノロジーに対応し、金融機関や大規模企業が使用する基幹システムの多くに採用されている。

そのほかにも、Unisys「ClearPath」シリーズ、Fujitsu「GS21」シリーズ、HP, 日立などでも製品はある。

 IBMメインフレームの歴史  

IBMのメインフレームは、1950年代のIBM 700/7000シリーズから始まり、1960年代のSystem/360で互換性と汎用性を確立。その後、System/370で仮想記憶の導入、System/390でI/O性能の向上、zシリーズで64ビットアーキテクチャとクラウド対応など、進化し続けている。

時代 システム名 特長
1950年代 IBM 700/7000シリーズ 初期の商用コンピュータ
科学技術計算、事務処理用に開発
1960年代 IBM System/360 汎用コンピュータの登場
互換性のあるアーキテクチャ
バッチ処理からリアルタイム処理対応
1970年代 IBM System/370 仮想記憶(Virtual Memory)の導入
マルチプログラミングの強化
1980年代 IBM 3081/3083 大規模集積回路 (LSI) の採用
性能向上と省電力化
大量データ処理、トランザクション処理強化
1990年代 IBM System/390 ESCON(光ファイバチャネル)によるI/O性能の向上
並列システム環境のサポート
31ビットアドレス空間
2000年代 IBM zシリーズ 64ビットアーキテクチャ
高度な仮想化技術
RAS(信頼性、可用性、保守性)強化
全方位的暗号化(z14以降)
AI、クラウド対応の強化

 メインフレームで使用されるプログラミング言語など、、、  

スクリプト: JCL(ジョブ管理言語)を使用してバッチ処理を制御

アプリケーション: COBOLが主要な言語として使用

フロントエンド: CICS(トランザクション処理を管理)

データベース: DB2などのリレーショナルデータベース

ファイルアクセス: VSAM(データアクセスのためのファイルシステム)

オペレーティングシステム: z/OS

 処理方式  

バッチ処理: JCLを使用して大量のデータを一括処理。決まった時間に処理を実行し、日次・月次の業務を自動化

オンライン処理: CICSを使用してリアルタイムのトランザクション処理を行い、ユーザーのリクエストに即時対応。銀行のATMや予約システムで利用

 最後に  

一旦、メインフレームの概要について整理してみました。(不十分だとは思いますが、、、)次はTSOやISPFについてまとめたいと思います。