Oracle Databaseは「データベース」ではなく「インスタンス」に接続する。
接続方法は複数あり、ローカル・リモート両方に対応。
接続後に、PDB(Pluggable Database)に切り替えて利用することも可能。
🧩 接続方法の種類
1. SQL*Plusによる接続(ローカル)
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Oracle標準のコマンドラインツール
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Oracleホームの
BIN
フォルダにインストール済み -
SYS
ユーザーでSYSDBA
権限を持ってローカル接続するには以下の手順:-
Oracleユーザーでログイン
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ORAENV
スクリプトでORACLE_HOME
,ORACLE_SID
など環境変数を設定 -
sqlplus / as sysdba
で接続 -
※「connected to an idle instance」の表示=インスタンスが停止中 →
startup
コマンドで起動
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2. SQL*Plusによる接続(リモート)
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フロントエンドや別サーバーから接続する際は、ユーザー名とパスワードが必要
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接続文字列の構文:
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例:
🏗️ PDBへの接続と操作
1. SYSDBAで接続後に切り替え
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ルートコンテナ(CDB)に接続後、以下のコマンドでPDBを操作:
2. Easy Connectによる直接接続
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クライアント側の設定不要(TCPのみ対応)
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必要条件:
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リスナーが起動中であること
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lsnrctl status
でPDB用のサービスが表示される
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接続文字列はリモートと同様
🛠️ SQLとShellスクリプトの実行
1. HRユーザーの利用
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サンプルスキーマ(HR)のユーザーを使用する場合:
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SYS
ユーザーでHR.EMPLOYEES
のようにスキーマ名を明示する必要あり
2. Shellスクリプト内でSQLPLUSを使う
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SQL*Plusへのコマンド送信にはヒアドキュメント(
<<EOF
)を使用
3. SQLスクリプトをSQL*Plusで実行
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@script.sql
形式でSQLファイルを指定すれば実行可能 -
コマンドラインでも、SQL*Plus内でも使用可
Oracle SQL Developer
Oracle SQL Developerは、DBA作業や開発作業をGUIで実行できるツールです。Windowsだけでなく、他のOSでも簡単にインストールできます。
💻 インストール方法(Windows 10の場合)
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「JDK 8 を含む」64bit版のアーカイブをダウンロード
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Java開発キット(JDK)が組み込まれているバージョンを選択
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ZIPファイルを解凍
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解凍先のトップディレクトリにある
sqldeveloper.exe
を実行-
デフォルトで組み込みJDKが利用されるよう設定されている
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🔗 データベース接続の設定
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左上の「緑の+マーク(接続作成)」をクリック
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「新しい接続」フォームに以下を入力:
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接続名
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ユーザー名・パスワード
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ロール(SYSDBAなど)
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サーバーIPアドレス
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サービス名(
lsnrctl status
コマンドで確認可能)
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「接続テスト」ボタンをクリックして接続確認
❌ 最初はファイアウォールのブロックにより接続失敗
✅ ファイアウォールを停止すれば接続成功
※ 本番環境ではファイアウォールを無効化しないよう注意
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接続情報は「保存」ボタンで保存可能
📂 SQL Developerでできること(抜粋)
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各ユーザーのデータをGUIで確認可能
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ユーザー一覧 → 例:HRスキーマを選択
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テーブル、ビュー、インデックス、プロシージャなど一覧表示
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任意のテーブルを選択し、中身のデータやCREATE文の確認が可能
💻 SQL Command Line(SQLcl)
SQL Command Line(通称:SQLcl)は、SQL*Plusの機能をすべて持ち、さらに高機能なコマンドラインツールです。
🔹 主な特徴
機能 | 説明 |
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TAB補完 | コマンドやテーブル名などの補完が可能 |
↑↓キーで履歴参照 | コマンド履歴を簡単に呼び出せる |
SET SQLFORMAT | クエリ結果の出力形式を整形できる(例:CSV、JSONなど) |
INFO コマンド | テーブルの定義、統計情報、キー情報などを簡単に確認可能 |
🌐 Oracle Enterprise Manager Express(EM Express)
以前は、Oracleの管理用WebインターフェースとしてEM Expressが使用されていました。
🔹 主な機能(旧バージョン)
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ユーザー管理
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メモリやストレージ管理
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各種管理操作(セキュリティやパフォーマンスなど)
🔸 現状の制限(Oracle 19c 以降)
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Flashがサポート終了 → 旧バージョンは使用不可
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Oracle 19c 以降のEM Expressは Java JET ベース
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利用できる機能は「パフォーマンスメニュー」のみ
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ユーザー管理・ストレージ管理などは非対応
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➡ Oracle 19cでは、GUI管理ツールとしての用途は限定的になっています。